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TYPE-O

何度見ても、やっぱり不思議。

「TYPE-O」のプロダクトは、従来のプリーツ製法とはまったく異なるプロセスをたどります。高度なプログラムを駆使した独自の手法によって、立体的なプリーツが「織り」によって形成されます。つまりジャカードの出番!電子データで制御されたジャカード織機によって一万本以上のタテ糸を上下させ、プリーツの折り線やパターンの輪郭線を緻密に織り込んでいく。その動きはまるでダンスのような美しさ、もしくは、職人の手仕事を見るような円熟味と調和を感じさせます。

そうしてつくられた一枚の布(一着分のパーツがあらかじめ織り込まれています)はハサミで裁断されて、高温の蒸気による加工へ。今回のムービーにフィナーレがあるとするならば、間違いなくこの工程でしょう。スイッチ・オン、蒸気が噴出、生地があっという間にギュッと縮む。オン、蒸気、ギュッ。織り込まれた無数の山と谷の折り線に沿って生地が縮み、平面の生地は瞬く間に立体的なプリーツ形状へと変化します。まるで意思をもった不思議な生物のようですが、具体的なテクノロジーの進化によるもの。さまざまな素材をベースにしながら、熱によって収縮する糸を織り込み縮み率をコントロールすることで、プロダクトとしての製品化を実現しています。

つまり意志が宿るのは、やはり一本の糸なのでした。一枚の布から探究し、服づくりのプロセスを変革しながらさまざまなアイディアを現実化(ABLE)していくA-POC ABLE。ものづくりの舞台裏をどうぞご覧ください。

文 : 瀬田 抄