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TYPE-P

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手仕事と美しさと楽しさが、ぴたりと重なる。

A-POC ABLE ISSEY MIYAKEのものづくりにフォーカスしたムービーシリーズも5作目となりました。今回は「TYPE-P」が登場します。2016年春夏シーズンのISSEY MIYAKEのコレクションで、初めて発表された「Baked Stretch」という新たなプリーツ製法をA-POC ABLEとして再構築。まるでオーブンの中のパンのように、加熱によってむくむくと膨らむ生地の個性を、パターンと色柄の緻密な設計によって一枚の布に美しく宿しています。

生地づくりのプロセスのコアのひとつは、手捺染(てなっせん)という染色技法にあります。シルクスクリーンの型とスキージというヘラを用いて、糊を混ぜた染料を素早くかつ均一に手仕事でプリント。1色ごとに版を重ねていく必要がありますが、もちろん寸分のズレも許されません。つまり職人技の出番。その様子はぜひともムービーでご覧いただきたいのですが、まるで熟練のダンサーがステップを踏むように、リズミカルかつ正確に、色を布にまとわせていきます。

TYPE-P

こうして数色が重なった布は、すでにずいぶん美しく、額に入れて飾っておきたくなるような直線的でグラフィカルな抽象画のようでもあります。が、ハサミによって切り出して、焼く加工を施すと、がらりと表情は変化します。熱によって膨らむ特殊な糊の作用によって、生地がみるみると立体的に。白いプリーツが浮かび上がり、その側面の左右には鮮やかな色が入っている。なるほど多色のストライプのプリントは、プリーツの形状と服のパターン、それに美しい柄を同時に表現した設計図の機能も備えていたようです。

TYPE-P
TYPE-P

A-POC ABLE ISSEY MIYAKEのものづくりは職人の手仕事を大切にしながら、「TYPE-P」は新たなプリーツの可能性を提案していきます。

文 : 瀬田 抄