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TYPE-U

気持ちに優しく寄り添う服ができるまで。

「TYPE-U」は独自の“形状記憶素材”を特長とするシリーズで、きわめて着心地のよいシャツのようなジャケットが知られています。

形状記憶とは、例えば袖口を思いのままに捲り上げると、布がその状態をキープするということ。次第に折り目が崩れ、落ちてきたりすることもありません。「袖を捲って」という言葉は、張り切って仕事にとりかかるといった決意や気の持ちようも表しますが、「TYPE-U」はその気分が形となって表現される。あるいは着る人の感情に寄り添いつづける機能を宿した服であるともいえそうです。もちろん、再び袖を下ろして優しく手で払えば、シワもつかずに元通り。

アイデアをさかのぼれば「着る人自身がデザインの最終段階に参加して楽しむ」というA-POCのコンセプトのひとつにたどり着きますが、もちろん、形状記憶という機能を生み出したのは、具体的な技術とアイデアの組み合わせ。「TYPE-U」のムービーでフィーチャーされる、ジャカード織機とポリエステル糸の複雑で滑らかな動きは、その成果を明らかにしています。

TYPE-U
TYPE-U

こうして生み出された一枚の布には、すべてのパーツが織り込まれ、ハサミで裁断していきます。映し出された生地の風合いは明らかに軽やか。加えて肩まわりやボディにゆとりがあるため、堅苦しさとは無縁のジャケットが生まれます。そしてもちろん、袖やラペルは着る人の思うままの形。まるで何年も着用したように身体に寄り添って見えます。「着る人が参加する」というコンセプトを探求する、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEのデザインのあり方の反映です。

文 : 瀬田 抄

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