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AUTUMN WINTER 2025/26

EXHIBITION

IM MENは、パリでのコレクション発表に際して、2025年1月24日(金)ー 1月26日(日)、特別展示「FLY WITH IM MEN」をフランス・パリで開催。ブランドとしては初となる2025/26年秋冬パリ・ファッション・ウィークでの発表に際し、より多くの方々にご覧いただく場として、本展を企画しました。

この展示では今回発表したコレクションより、「一枚の布」というフィロソフィーに基づく5つのプロダクトにフォーカスしています。

吉岡徳仁氏が手がけるIM MENの特徴的な構造を表現したインスタレーションのなかで、伝統の織りや染めと先端技術を掛け合わせながら開発した独自の布地や、設計技術を駆使し、「一枚の布」が持つ可能性を極限まで探求した衣服のディテールを間近にご覧いただく機会となりました。

私たちは本展を通じて、ファッションのみならず広くクリエイティブ分野に関わる人々をはじめ、多くの人が垣根を越えて交流を深め、社会と服飾デザインとの未来の関係性を探る良いきっかけになることを目指します。

FLY

軽やかな布地の魅力を最大限に引き出すために、“耳”と呼ばれる織物の端さえも切り落とさず、一枚の布が持つ姿そのままを衣服として表現したシリーズ。コート、ジャケット、パンツの3型展開で、それぞれ一枚の布に配置されたドットボタンを留めることでフォルムが作られます。コートとジャケットについては、上下を反転させたり、ボタンの留める位置をアレンジすることで、多様なスタイルが楽しめます。布地にはIM MENがファーストシーズンから展開する浮遊感漂うシリーズ「AIR」のものを使用。部分植物由来(※)と中空糸の2種のポリエステル糸を使用したシワになりにくいテキスタイルを、さらに軽やかに改良しました。

※主な原料にサトウキビの廃糖蜜を使用

HERON

布地に使用した「Ultrasuede®(ウルトラスエード®)」は、東レ株式会社が開発した100%植物由来(※)のポリエステルを基材とした人工皮革スエードで、衣服としての使用は今回が世界初の事例です。断ち切りが可能という素材の特性を生かしながら、衣服製作では通常使われない切削加工という技術を用い、大きさがミリ単位で異なるドットによるグラデーションで柄を表現。これにより、生地のボリュームがあるコートにユニークかつ軽やかな印象を与えました。また、折れ線状の切り込みを入れ、ボタンで組み立てる仕組みを採用することによって、身頃と袖、襟まわりの特徴的なかたちを作り出しています。

※主な原料にサトウキビの廃糖蜜と非可食コーンスターチを使用

METALLIC ULTRA BOA

東レ株式会社が手がける部分植物由来(※)の人工皮革スエード「Ultrasuede®(ウルトラスエード®)」に、リサイクルウールを含む複合繊維のボアを貼り合わせ、人工ムートンを共同開発。さらに、表面には箔プリント加工を施し、印象的で力強い質感をプラスしました。布の下端から直角に3本の切り込みを入れ、ファスナーを配置。左右の裾から袖口にかけて繋がったファスナーは、軽く捻るように閉じることで、肘まわりに大きく張り出す大胆な袖のフォルムを実現しています。

※主な原料にサトウキビの廃糖蜜を使用

SAKIORI

素材の再活用と新しい価値の創出を目指し、古布を細く裂いて織り直す、日本の伝統的な織り技法「裂織*」を踏襲しました。IM MENがブランド立ち上げ当初から使い続ける部分植物性(※)ポリエステルによる「FLAT」シリーズの布地をテープ状にバイアスカットし、タテ、ヨコ両方向に配列して織っています。ランダムな織り目とフリンジは手仕事を感じさせ、一点ずつが異なる表情を醸し出します。織りに沿って配されたアームホールと紐により形作る、ストールのようなベストです。

※寒冷な気候のため繊維製品が貴重だった東北地方に江戸時代中期から伝わる技法
※主な原料にサトウキビの廃糖蜜を使用

KASURI

一本の糸を部分的に染め分け、不均一な濃淡を表す伝統技法「絣染め」を現代的に表現。絣の技術はインドで生まれ、日本では江戸時代後期から受け継がれてきたものです。太さの異なる3種の綿糸を注染で染め分け、その糸をタテ糸とヨコ糸に配列させ、ジャカード織機で製織しました。大胆な柄のグラフィックをコンピュータジャカードによって表現したテキスタイルです。織りの美しさを際立たせるために切り込みは最小限に抑えつつ、裾から脇にかけて斜めに入ったカットラインにはファスナーを配置。そのファスナーを閉じることで緩やかならせんを描きながら袖と身頃が形作られます。ファスナーを閉じればコートに、ボタンで留めるとポンチョと、2通りで着用できます。