TYPE-VIII Kenta Umemoto project

新進気鋭の写真家・梅本健太氏と取り組んだプロジェクト「TYPE-VIII Kenta Umemoto project」。
梅本氏はパリ在住の写真家。日本の浮世絵や漫画からインスパイアされた独特な色使いをもとに、デジタルとマニュアルを掛け合わせた独自の手法から、光と影を巧みに駆使することで新たな写真表現を追求しています。代表作である「FLŌRA」では、まるでポートレート写真のように生命力に満ちた美しい花々の姿を捉えています。自然物による無作為な美しさのなかに、写真と絵画の視点を織り交ぜたようなビジュアルアートは、見る者に新たなイマジネーションを与えます。

TYPE-VIII
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、梅本氏の作品にある作為性と無作為性の相互作用によるクリエーションに共感し、プロジェクトがはじまりました。普遍的な美の象徴ともいえる花と対峙し、新たに撮り下ろした「FLŌRA」シリーズのビジュアルを大胆な構図でワンピースやジャンプスーツに再構築しました。ブランド独自のSteam Stretch技法を用いてタテ・ヨコのプリーツ形状をパッチワークのように配置したアイテムに、梅本氏のビジュアルを熱転写プレスすることで、偶発的な美しさを表現しました。そして、花脈のように緻密なテクスチャーは人が着ることで身体と共鳴し、躍動する美しさを宿します。

ISSEY MIYAKE GINZA / 445のCUBE、ISSEY MIYAKE SEMBAのCREATION SPACEで9月1日(日)から「FLŌRA」シリーズの最新作と共に、光と影のコントラストが印象的なワンピースとジャンプスーツの躍動的なビジュアルアートを大胆に展示します。詳しくはこちらをご覧ください。

梅本健太氏より
「個々の花に宿る可能性を引き出したい」
このように考えて私は花の撮影に取り組んできました。花へのアプローチとして、写真を撮るという行為だけにとどまらず、そこからデジタルとアナログの技法の両方を駆使して多層的かつ複合的な花の見方を探求し続けています。花が服の中に生まれ変わり、1人1人の動きによって完成するA-POC ABLE ISSEY MIYAKEの「一枚の布」が、花に向き合い続けてきた私の作品と共鳴して1つの形になることはこの上ない喜びです。今回のコラボレーションの撮り下ろしでは、イッセイ ミヤケの歴史を振り返り、受け継ぎ、発展させ、タイムレスなビジュアルになるよう1枚の写真の可能性に思いを込め、花を撮るように個々の服に宿る美しさを捉えようと試みました。このエネルギーをまっすぐに受け止めてくれたデザイナーの宮前義之さん、チームの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
梅本健太
パリを拠点として活動している日本人写真家。明治大学在学中に大学の講義で写真と出会い、その後、日本の伝統的な着物の会社や資生堂の化粧品のスティルライフの撮影を始める。ビューティー、ボタニカル、ランドスケープへと興味の対象は広がり、インスピレーションの源泉である日本の浮世絵や漫画の独特な色使いから影響を受け、写真と絵画的な表現を融合させた独自の作風を発展させている。