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2025.06.19 | HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEは6月18日(水)、Pitti Immagine Uomo 108のゲスト・オブ・オナーとして、フィレンツェにあるメディチ家にゆかりのある「Villa Medicea della Petraia」にて2026年春夏コレクション「Amid Impasto of Horizons —積み重なる地平—」を発表しました。

イタリアの風土が思い浮かぶ本コレクションは、一本の筆を以て旅をするところから、ものづくりを始めました。豊かな自然風景と日々の暮らしが息づく町を巡りながら色を採集し、そこで芽生えた発想と重なり合います。こういったプロセスに導かれるがままに、コレクションを発展させています。日々の生活情景から着想を得ているからこそ、日々を生きる人々に自然となじみ、一人ひとりにとっての特別な「日常着」。そんなコレクションは、ブランドが思い描く新章の第一歩として、Pitti Immagine Uomoという場所で新たな境地を拓きます。

コレクション発表のセットは、アンドレア・ファラグナ(Andrea Faraguna)とミヒャエル・クライネ(Michael Kleine)が手がけたものです。何世紀にも渡って維持されているメディチ家から伝わる庭園と歴史的なトスカーナ建築、その静かな美しさからインスピレーションを得ています。巧妙に配置されたさまざまなスプリンクラーによって演出されたその光景は、タイムレスで穏やかな庭園風景と調和しつつ、古めかしい庭園を生き生きと描写したかのようです。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

TAILORED PLEATS

ブランドの定番として提案している二つボタンのジャケットに加え、新型のノーカラーロングジャケット、ロングダブルブレストジャケットなど、幅広いセットアップが揃うテーラードプリーツシリーズ。これまでのジャケットを細部のつくりから見直し、より構築的な要素を取り入れています。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

PAINTER’S GEAR

色の採集に必要な道具を収納するというアイデアから生まれたシリーズ。形と大きさの異なるポケットは、筆や絵の具などの描き道具のみならず、日常生活の小物を携行するのにも便利です。シャツやジャケットに合わせて、機能性のある着こなしが可能です。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

LINEN LIKE

リネンのような風合いを持ち、肌離れの良いさらっとした素材感が特徴のテーラードシリーズ。涼しげな光沢のある素材は春夏シーズンらしい印象を与えます。また、従来のジャージー素材よりもハリがあり、立体的なシルエットが際立ちます。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

PALETTE

イタリアでの色の採集に使用したカラーパレットそのものをモチーフとしたプリントシリーズ。調色する過程の痕跡を感じ取れるような模様は、色鮮やかで手作業の感触があり、ものづくりのプロセスを体現しています。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

PAINT BRUSH CLOSE-UP

色の採集に使用した、絵の具に段々と積み重なる筆先の模様を写したプリントシリーズ。調色の際に生まれる、筆の毛先から根元にかけての自然なグラデーションを表現しており、立体的な色の重なりや奥行きを感じさせます。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

CARRIER CARRIED

衣服を入れて持ち運ぶガーメントバッグを着用する発想から生まれたシリーズ。着用しない時には折り畳んで、ガーメントバッグの形にもなるパッカブル仕様です。旅に出る際に衣服を持ち運ぶバッグそのものが服になり、またその着用者をどこかへ連れて行く遊び心と、実用性を兼ねたアイテムです。

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

CIOCCOLATO

つま先の形が親指から小指にかけて斜めになっている「オブリークトゥ」と、角張って縁(へり)が際立つ「チゼルトゥ」を融合したシューズ。板チョコレートにも見えるデザインは、マットな素材とかけ合わせることで、フォーマルな印象に遊び心が表れる一足です。

「OPEN STUDIO」について

HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE は、Pitti Immagine Uomo をはじめ世界を巡り、これまで訪れたことのない場所で、ブランドが行うものづくりの成果を発表していきます。この活動のことを「OPEN STUDIO(オープンステュディオ)」と名付けて、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE は各地の人々と交流し、より広い視野でクリエイティブ分野とつながります。

アーティストが制作の現場を公開する習わしにちなんで、私たちは「OPEN STUDIO」という活動を通して、創作の場を世界に広げ、ものづくりはより多元的に取り組み、発表形式ではより多面的な体験を届けます。

今回のPitti Immagine Uomo 108のために企画した「OPEN STUDIO」は、コレクションを発表する「プレゼンテーション」と、制作の裏側ならびにブランドが行うものづくりを紹介する「エキシビション」で構成しています。

エキシビション・ディレクションおよび空間デザインは日本デザインセンター 三澤デザイン研究室が担当し、展示構成は、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEのデザインチームとの協働の元に実現されました。コレクションにおけるフィールドワークと研究開発の過程を展示するとともに、プリーツという技法に秘められる可能性を示唆する、本企画限定のエキシビションです。

展覧会紹介文

HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEのものづくりは、総合的な研究開発に基づいています。そのプロセスは、あるイメージ、アイデア、あるいは現象といった対象を観察して調べるところから始まります。そしてそこから発見されたものを多角的に扱い、服づくりに通ずる語彙として捉え直すことで、発見と実践のプロセスが繰り返されます。

このプロセスの中では、その探求性に富んだ性質ゆえに、予期せぬ、あるいは意図しない要素が姿を現すことがあります。こうした偶然の発見は、創作の種となり、いくつものスタディを通じてさらに発展し、やがて現代の生活様式のためのプロダクトとしてかたち作られます。

本展「Amid Impasto of Horizons —積み重なる地平—」では、同タイトルの2026年春夏コレクションにおける研究開発の軌跡を辿るとともに、会場の一面に風景を描き出すような、プリーツ素材による作品群を展示し、その独自の技法のまだ見ぬ可能性を提示します。

空間全体を巡る大きな円環に並ぶのは、フィレンツェを含むイタリアの都市で行われたフィールドワークによるスタディで実際に使用したアイテム。コレクションにおける色彩、素材、衣服の制作プロセスごとに紐解きます。

その円環の周りには、コレクションの枠を超えた彫刻のようなオブジェが点在し、プリーツ素材の形態が持つ特性を掴もうとする、実験的な習作が展開されています。そこには、プロセスの中で見出だされた、偶然的で、儚い美しさが表れています。

本展のタイトルが示すように、本コレクションは、完成に至るまでに積み重ねた研究開発のプロセスそのものを反映しているものであり、創作の過程における予測不可能な要素も認め、活かしていく、ものづくりの姿勢の表出でもあります。その層と層の間に描かれた見渡す限りの地平は、過去の経験をこれからの実践へとつなぐものとなるでしょう。

 

SPRING SUMMER 2026 COLLECTION
SPRING SUMMER 2026 COLLECTION

展覧会ディレクターからのメッセージ

「今回のコレクションはリサーチのプロセスがキーとなっていますが、エキシビションにおいてもオム プリッセ イッセイ ミヤケのデザインチームと三澤デザイン研究室が協働し、制作過程をともにしながらつくり上げてきました。普段マテリアルとして布地を扱うことが少ない私たちにとって、プリーツ生地はかたちを自在に変容する魔法のようなマテリアルで、その自由性に夢中になりました。覆う、被せる、巻く、折る、重ねるなどの素材に無理のない自然な手法から生地のなりたいかたちを探求した展覧会です。」

日本デザインセンター 三澤デザイン研究室
三澤 遥


本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。


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