2026.03.07 | ISSEY MIYAKE AUTUMN WINTER 2026/27 COLLECTION
ISSEY MIYAKEは3月6日(金)、パリ市中心部にある、カルーセル・デュ・ルーヴル(Carrousel du Louvre)にて、2026/27年秋冬コレクション「Creating, Allowing —つくる、つくらない—」を発表しました。
つくり手として、どこまで「つくる」という意思をかたちに落とし込むべきか。あるいは、あえて手を加えないことの先にこそ、本来の美しさを見出だせるのではないか。今回のコレクションは、ものづくりにおける「作為」と「余白」の関係性を探求しています。すべてを意図通りにコントロールするアプローチを手放し、素材の本質と形態をあるがままに認め、「物質」としての衣服が「身体」と呼応する美しさを引き出すために、最小限にデザインを介在させること。それは、想いをかたちにする意思と、そうしない意思のバランスで成り立っています。一見するとミニマルなその佇まいは、デザインすることを諦めるのではなく、積み重ねた創意工夫と、考え抜かれた引き算のプロセスを経てこそ辿り着く、「委ねる」ことの豊かさです。
会場の中央に広がるのは、砕かれた鉱石のような銀の砂が敷き詰められた空間。その静けさは、モデルがそこに足を踏み入れることで破られます。歩き去る動きにつれて、砂の表面はまるで水尾(みお)を引かれたかのように、光りながら徐々に変化が生まれます。それは、モデルの介在によってのみ引き起こされる、ショーの進行に伴う不可逆の現象です。細断されたアルミ箔を敷き詰めることからなるこの空間は、「もの」と「人」と、そして「衣服」とが関わり合うための装置。見慣れた素材と単純な行為から生まれた「余白」に、人の「作為」が交わることで、初めてそこに新たな関係性が現れることを示唆しています。

ALLOW
一枚の布をファスナーで筒状にし、身体を通すことで立体的な着こなしが自然と現れます。デザインする意思を最小限にとどめ、かたちづくることを着る人それぞれの身体に委ねることができるか。ブランドがこれまでも取り組んできた「一枚の布と身体の関係性」を、あらためて探求しています。
石のような質感を表現するために、糸から開発した和紙混のストレッチ生地を採用。ヨコ糸には和紙と綿を甘く撚った杢糸を使用し、タテ糸は本数を減らすことで、素材そのものが持つ杢調の風合いを際立たせています。

FOUND STONE
ある日偶然拾った石の静かな佇まいに惹かれ、「そのかたちをそのまま着る」という純粋な発想から、このニットは導かれました。リブやガーター、メッシュの編み組織を組み合わせて、無縫製で編み上げた後、一本の縫製を加えることで、自然が生み出した造形と質感を再解釈しています。
石のようなざらっとした表情は、2色の異なるポリエステル糸を撚り合わせることで再現。ニットにメッシュ組織を取り入れることで、軽やかな着用感を追求しています。

HANDSOME KNIT
立体的な肩のフォルムが特徴のニットシリーズ。ニット本来の身体に沿って馴染む素材の特徴に反して、ジャケットのようにしっかりとした肩の造形をつくることで、新しいニットのシルエットを描き出します。
構築的なデザインを支えているのは、表と裏で異なる糸を編み合わせた構造です。暖かみのある風合いをもつウールの表地に対し、裏面にストレッチ性のある再生ポリエステル糸を編み込むことで、造形を保つための張りを持たせています。

UNTITLED
衣服をどこまでデザインすれば完成するのか。仕上げないことで美しさを見出だせるのか。あたかも仕立てられていないような一続きの布をあえて「残し」、その自然なさまこそが、「衣服と一枚の布の境界」を探るような未完のかたちと言えるのかもしれません。
上質なウールを用いた滑らかな生地は、樹脂加工を施すことで、しなやかさのなかに程よい張りを持たせています。上品な光沢と鮮やかな発色が、重なりに委ねられた布のドレープを際立たせます。

WRING PLEATS
大胆なツイストが印象的なプリーツは、手仕事による捻りを加えることで、生地の上に立体的な動きを生み出しています。直線的なマシンプリーツに、手作業ならではのニュアンスが重なり、生地のうねりを活かすデザインによって、まるでプリミティブな装いがかたちづくられます。
ポリエステル生地の表面にカレンダー加工を施した光沢素材を使用。繊細なツヤがプリーツの陰影を際立たせ、動きに合わせて豊かな表情を描きます。

CORRELATION
一枚の布の原型を残したかのようなコートと、それを円環状に構成した膨らみのある丸いシルエットのスカート。対照的な造形が共存することで、そこから生まれる新たな関係性を見出だそうと試みるシリーズです。
ポリエステルの中空糸(糸の中心が空洞)を用いて、撚糸をかけ低温で仕上げることで、軽さに加えてツヤを抑えた独特の風合いと張りを持たせています。

CALLIGRAPH
一枚の布が身体を包み込む流線的なシルエットは、布が身体に沿って回り込み、重なり合うことから生まれています。衣服を「つくる」というよりも、描かれた一本の大胆な曲線をそのまま身にまとうような、新たな造形へのアプローチです。
上質なウールの生地に含浸(がんしん)加工を施して張り感を持たせることで、布が重なり合う空間に陰影が落ち、曲線がより立体的に浮かび上がります。深く染め上げられた漆黒や鮮やかなパープルが、一続きの布によって描かれる美しい軌跡をさらに引き立てます。

URUSHI BODY
着物の帯やビスチェの概念を拡張し、硬質な造形を身体に「はめて整える」という現代的な装いの行為へと再解釈したシリーズ。身体の曲線を縁取るようなその佇まいが、衣服と造形の新たな関係性を提示します。
越前の職人が丹念に漉き上げた一枚の大きな和紙を手でちぎり、天然の糊「とろも」を用いて、3Dプリンターで出力された型に幾重にも貼り合わせて立体を成形。さらに京都の職人が漆(うるし)を塗り重ねることで、和紙の温もりは、深い光沢を放つ物質へと姿を変えます。伝統工芸と現代のテクノロジーの融合による美しい結晶です。

CAMPER x ISSEY MIYAKE
Anna
工業製品の洗練とシャープさをもつAnitaのアウトソールを基にしたAnnaは、「靴下を履くような靴」という発想から発展しました。TENCEL™(※)繊維を配合した、柔らかいストレッチニットのアッパーが特徴で、通気性がよく脱着がしやすく、足を締め付けることなくしっかりと支えます。
「伝統」にインスパイアされた第一弾のPeu Form、質感と分量感のコントラストで「遊び心」を表現した第二弾のKarst Finchに続き、第三弾のAnnaはこのパートナーシップが掲げる「身体性」というテーマを体現するヒールシューズです。削ぎ落とされたデザインのニットが足を包み込み、身体のもつ本来の美しさを引き立てます。柔らかいニット素材と、アウトソールの彫刻的なシルエットが対比するデザインは、幅広いスタイルと様々なシーンに自然と馴染みます。
ローカットシューズ(ブラック、ベージュ)と、ブーツ(ブラック、ブルー、ダークネイビー)の2型を展開します。
※TENCEL™は、持続可能な方法で調達された木材繊維を原料にしている素材です。
本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。
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