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Special Re-edition Model:IM-101

STORY

「IM-101」とは
「IM-101」は1985年にリリースされたサングラスです。「一本の線」と「二つの円」というシンプルな図形の組み合わせが、まるでグラフィックデザインのように明快で、当時イッセイ ミヤケのアイウェアとして存在感を強く印象づけました。誕生から30年以上を経た今もなお、その凛とした佇まいは力強いメッセージを放っています。

スペシャル復刻モデルの誕生
2017年の春、ISSEY MIYAKE EYES プロジェクトは、このデザインを再現する計画に着手。設計データの無い中、僅かな資料を基に当時のデザインを忠実に再現する作業がスタートしました。手探りの試行錯誤を繰り返し、現代のスペックとしてチタン素材を採用することが決定。そして軽量化、しなやかさ、剛性を向上させたスペシャル復刻モデル「IM-101」が誕生しました。

はじまりはアート写真
オリジナル版「IM-101」は、写真作品の被写体として記録されています。ニューヨーク在住の写真家ヘンリー・ルートワイラー氏(Henry Leutwyler)による作品シリーズ『DOCUMENT』の中で、80年代ニューヨーク・アートシーンに彗星のように現われたジャン・ミッシェル・バスキアが使用したサングラス(作品名“Jean-Michel Basquiat’s Issey Miyake sunglasses”)として紹介されています。2017年の春、東京・原宿にあるギャラリーThe Massで一般公開され、このときデザイナー高橋悠介は、「IM-101」に写真作品を通して出会いました。そしてこのデザインに懐かしさや過去を重ねるのではなく、むしろ現在や未来に通じるデザインの力を感じ取ったのです。復刻モデルの開発はこうしてはじまりました。

PHOTOGRAPHY

IM-101

ジャン・ミッシェル・バスキアが使用したサングラス(1986年製) ©Henry Leutwyler 2008

写真家ヘンリー・ルートワイラー氏(Henry Leutwyler)による写真作品“Jean-Michel Basquiat’s Issey Miyake sunglasses(ジャン・ミッシェル・バスキアが使用したサングラス)”には、アーティスト自身が愛用した痕跡が細かく見て取れます。中央のノーズパットも取れ、金属部には細かい擦り傷が残り、耳にかけるモダン部分は退色しています。写真からはバスキア本人の体温が伝わってくるようであり、彼が生きた時代のクリエーションのエネルギーを感じます。そのような作品を表現したルートワイラー氏が、スペシャル復刻モデルの写真撮影に参加してくれました。こうして、30年の時を隔てた2つの「IM-101」がルートワイラー氏によって撮り収められたのです。

ヘンリー・ルートワイラー(Henry Leutwyler)

1961年スイス生まれ。独学で写真を勉強し、写真という媒体をこよなく愛している。印刷職人である祖父と父親の道を歩まず、旅行しながら自身のレンズを通して世界各国の文化や色を身につけてきた。1985年にパリで写真家ジル・タピ(Gille Tapie)に師事した後、報道カメラマンとして活躍しはじめた。1995年にニューヨーク市へ拠点を移し、現在に至る。

有名人のポートレート写真はVogue、Vanity Fair、The New York Times Magazine、The New Yorker、Esquire Magazine、Timeなどの雑誌で掲載され、2010年より写真集、『Neverland Lost: A Portrait of Michael Jackson』、『Ballet: Photographs of the New York City Ballet』、そして最新作『DOCUMENT』を発表した(全てSteidl社出版)。ロサンゼルス、ニューヨーク、マドリード、モスクワ、チューリッヒ、そして東京での個展を開いたほか、2017年にスイスの美術館「Museum
of Fine Arts Le Locle」の招聘により、写真集『DOCUMENT』からの作品を展示し、4ヶ月間に渡る個展を開催した。

ルートワイラーの写真は、今主流である過度の加工で美化された写真に反論するように、被写体の静かな佇まいから本質的な美しさを引き出すスタイルで評価されている。


http://www.henryleutwyler.com/

『DOCUMENT』

写真作品シリーズ『DOCUMENT』は、ジェームス・ディーンの財布、オードリー・ヘップバーンのタイプライター、モハメッド・アリのボクサーシューズ、エルビス・プレスリーの銃、マイケル・ジャクソンの手袋、など著名な人物の遺品を撮り下ろした作品で構成されている。ポートレート写真家としても知られていたルートワイラーは、人物を切り取る事無くポートレートを撮り収めるという新しい手法に挑戦した作品集を発刊した。