KYO CHIJIMI BRUSH PRINT
大胆なブラシストローク。
京都の熟練した職人が、独自の染色方法によってブラッシュプリントを施したKYO CHIJIMIには、一枚一枚異なる表情がある。
まず全体を染色し、次に手作業による抜染プリントを経て、細かな部分には刷毛を用いて抜染を行う。その後、さらにオーバーダイをして抜けた柄に色を入れ込んでゆく。
高度な技術と丁寧な技法によって染色されたKYO CHIJIMIに、新たな陰影が生まれている。
KYO CHIJIMIが生まれるストーリー
京ちぢみは滋賀県高島市・奥琵琶湖で織られてきた。幾重の山々を源流とする湧水が琵琶湖に流れる豊かな環境のもと、100年もの間、京都の男性たちの暑い夏の生活を支えてきた。近江上布(麻)の伝統が根付くこの地で、人々は川端(かばた)で湧水を日常生活に使用し、豊かな日常風景を育んで生活している。
今も多くのちぢみ織場がその湧水を使用することで、糸切れを防ぎ、天然の温度湿度調節を可能にしている。HaaTのKYO CHIJIMIもまた、その恩恵を受けているひとつ。通常、綿の工場は綿埃が舞うことが多いものの、湧水のおかげで湿度があり、空気がきれい。このように自然の恵みを贅沢に利用できている織物産地は、滅多にない。
また、ちぢみ織の生地は、肌に当たる接点を少なくするために横糸に撚りを多く、かつ隙間を空けて織られるので、水を通すと160c幅が1/2幅凝縮される。それ故、服に凹凸が生まれ陰影ができて、美しい。その後、生地を染めるのはウールやカシミヤのセーターを染める工場だ。赤ちゃんを揺籠であやすがごとく、ゆっくりと発色を確かめながら染め上げる。
織工程と染工程。ともに豊かな山々の湧水を利用することで、HaaTならではの定番シリーズKYO CHIJIMIを作ることができる。それはとても贅沢なこと。