TENMOKU COTTON
斑点状の粒子。不規則で奥行きのある佇まい。
古来から伝わる天目茶碗の、時を超えた静謐な美しさ。
陶芸と衣服。堅牢なものと、しなやかなもの。そのふたつの世界から、不完全さや素材感を大切にしたHaaTの新しいTENMOKU COTTONは生まれた。
着想源は、12世紀に中国から日本へ伝わった天目茶碗。高温焼成と鉄分を含んだ釉薬によって生まれる深い色合いと、偶然がつくり出す斑や流れ。その静かな奥行きある表情を、衣服へと写し取った。天目陶器の持つ、完全ではなく、有機的で、不均一、そして豊かな質感美に着想を得て、特別な二段階仕上げ加工が開発された。
その融合は、素材づくりから始まる。テキスタイルには、綿繊維を弾力のあるポリウレタン芯で包み込んだ糸を使用。経糸・緯糸の両方にこのストレッチヤーンを用い、配合比率を変えながら織り上げることで、テクスチャーの奥行きと表面の不規則性を生み出している。
トップ、ジャケット、スカート、ワンピースといったアイテムに縫製された後、染色を施すと同時に独自の表情を引き出す。さらに、天目の持つ微妙な奥行きを映し出すために表面ブリーチ加工を加えることで、繊細な濃淡が生まれる。
こうして完成した衣服は、抽象的で柔らかく彫刻的な、唯一無二のテクスチャーを纏う。生地には、淡いベージュ、ブラウン、ブラックといった層状の色調が染み込み、土壌の移ろう色合いを想起させる。
手仕事の精神と、自然がもつ制御不能なエネルギーに根ざし、ひとつひとつが決して同じにならない―それは、まさに天目陶器と同じだ。
新作TENMOKU COTTONシリーズは、HaaTの26SSに向けたより大きな創作研究の一環として位置づけられている。その研究は、日本が誇る「生きた陶芸・磁器の遺産」をテキスタイルへと翻訳する試みだ。数百年の時を経て受け継がれてきた国宝級の名陶から、無名の職人たちが日常のために作り続けてきた民藝の器に至るまで。
土、顔料、釉薬、色調、模様、技法。
HaaTは形を超え、触れ、見つめ、共に生きることのできるタイムレスな美しさに根ざしたつながりを織り上げていく。









