2023.09.30 | ISSEY MIYAKE SPRING SUMMER 2024 COLLECTION
ISSEY MIYAKEは9月29日（金）、地域交流を目的とした複合施設Césureにて、2024年春夏コレクション「Grasping the Formless—見えない形が見えるまで—」を発表しました。
今回のコレクションは、風や光など大自然の中の輪郭のないもの、またはそれによる偶発的な儚い事象をつかもうとする発想から見出された形を、服づくりに取り入れています。そんな刻々と移ろうものたちの一瞬一瞬を、形に留まらないままに、または変わり続けるままにかたどる表現方法は、衣服に余白を持たせて素材の特性を活かす考えに結びついています。こうして導かれた素直な形を受け取るときに、着る人の身体に自然と呼応する新たな美意識が浮かび現れます。
今回のコレクション発表は、テーマを様々な視点による総合的な演出で表現しています。会場を漂うインスタレーションは、和紙にひだを入れてできた「膜」のようなもので、出演者たちと周りの環境に反応して動き続けるそのさまが、衣服と着る人の関係を示唆します。そんなインスタレーションと共鳴する多才なパフォーマーたちが、演奏とダンスを通じて語り合いながら、音と動きが行き交う能動的な序章を繰り広げます。それに続くコレクションのルックは、身にまとう見えない何かの形が次第に見えてくるような流れで展開して行きます。和紙と、音と、動き続ける身体との呼応し合う空間で、自然に感じ取れるゆとりと豊かさをもたらします。
インスタレーションコンセプト・デザイン：田中義久
音楽構成・表現方法：ICTUS
振り付け・舞台演出：Némo Flouret
AMBIGUOUS
コットンの強撚糸の特性を活かしたニットシリーズ。縫い目なく編み上げた筒状の形が素材のはたらきによって、しなやかに着る人一人ひとりの身体になじむ曖昧な形を表しています。同一方向に撚った糸を使用した前身頃は、自然とねじれるゆるやかなドレープが特徴です。リブ編みを組み立てた後身頃は、程よく身体を包み込み、ねじれの表情を引き立てます。
TWINING
空にはためく旗のねじれた形態を表した布帛シリーズ。表の生地はさらりとしてハリ感があり、ねじれを際立たせます。タテ糸に隙間を開ける特殊な織り方によって、分量感がある一方で、軽やかさがあります。
LIGHT LEAK
形の輪郭がぼやける様子を表現するプリントシリーズ。一度フィルムに写した写真に対して、カメラのふたを開けてわざと露光させる手法を用いて柄を制作しました。柄を拡大して転写するため、元の写真にあるフィルムの粒子までも見て取れます。柄を生かすためにドレープや縫い目を最小限にした、シンプルなシルエットに仕立てています。
ENVELOPING
一枚の布からなる筒状の構造をねじって留めることから生まれた布帛シリーズ。和紙とポリエステルで織り上げた素材の持つほのかな光沢感としなやかな風合いは、ドレープによる陰影の深みとなめらかさを引き立てます。身体を包み込んで、着る人ひとりひとりのシルエットを生み出します。
FIXED IN TIME
動いている瞬間を止める発想から生まれた、プレス加工を施したシリーズ。大胆なシルエットに見える、肩の部分の折り込みや角張りは、ねじれをプレスしてできています。硬質な印象と分量感にも関わらず、軽量でストレッチ性のある素材を用いることで、軽くしなやかな着用感を実現しています。
TWISTED / SHAPED MEMBRANE
一枚の布をねじることで自然に生まれた布帛シリーズと、おおらかでゆとりのあるシルエットが特徴の布帛シリーズ。両方が使用している生地は、天然繊維の和紙・リネンの糸とストレッチ性のある糸を織り合わせたもので、さらりとしながらも皮膚のように身体になじむ独特な質感が特徴です。分量感があり、柔らかく軽やかな印象を与えます。
ISSEY MIYAKE×New Balance MT10O
New Balanceとの共同制作によるフットウェアは、デザイナー近藤悟史が考える身体性から見出した、裸足に近い感覚を持っています。New Balanceのトレイルランニングモデルの名作である「MT10」に、ISSEY MIYAKEならではのデザイン性と配色を取り入れたこのフットウェアは、本コレクションとの親和性を図り、軽やかで地に足が付いているような履き心地が特徴です。
本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。
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