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2024.09.28 | ISSEY MIYAKE SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

ISSEY MIYAKEは9月27日(金)、パリ花公園(Parc floral de Paris)にあるパビリオンにて、2025年春夏コレクション「The Beauty of Paper」を発表しました。

今回のコレクションは、和紙を中心とした紙にまつわる素材に着目し、視て触って気付く質感から感情に及ぼす影響までの、紙がもたらす感覚を探り直しています。紙にふれる際に感じる心地よさは何に基づき、またどのような形で伝わってくるのでしょう。そんな問いをめぐり、紙の歴史、つくり方、また紙による手仕事についてリサーチし、服づくりに落とし込むように、発想を膨らませた多様なスタディに取り組みました。そこから完成された衣服は、手の感触や素材感が伝わる個性豊かなもので、着想源である紙の持つ身近で普遍的な一面と、プリミティブで詩情溢れる一面を表現しています。

コレクション発表の会場に設置された観客用のスツールもコンセプトにちなんで、イッセイ ミヤケで行われるプリーツ加工の副産物である薄い紙の塊を再利用したものです。工程に必要なこの薄紙は、加工後リサイクルするために、機械に入れて円柱形に圧縮していますが、その形を活かして、一定の高さに裁断しスツールにしました。年輪にも見えるその断面は、まるで丸太のようで、幾重にも薄紙が重なって時間の流れを感じさせます。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION
SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

コレクションのコンセプトを伝えるために制作したのは、麻の細かい繊維でできた麻紙(まし)による紙衣(かみこ)です。リサーチの一環として試作から始めたこの衣服は、古来より日本人の生活に根付いた和紙の歴史と和紙づくりの伝統を継続する意思が込められており、本コレクションを通して新たなかたちに生まれ変わっています。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

EAU

「水」そのものを一枚の布で表現した布帛シリーズ。透き通る柔らかい布を内側で部分的に留めることで流れるようなドレープが生まれ、素材の光沢感からなる陰影は、水のゆらぎや輝きを彷彿とさせます。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

FOLD TO FORM

箱や折り紙のように、一枚の布に折り目を入れて立体化させる発想に基づいたシリーズ。和紙素材を発展させ、ストレッチ性はそのままに、より軽く仕上げました。和紙の糸とレーヨン・シルクの糸を交互に織り合わせることで、角張ったシルエットの中にしなやかさが生まれ、身体に程よくなじみます。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

EASE AND EASED

コレクションのコンセプトを伝える、大麻(おおあさ・ヘンプ)の和紙のみでできた紙衣の形を元に、タテ糸にヘンプ、ヨコ糸にはモヘアとウールの混紡糸を織り合わせたシリーズ。先染めによる繊細な色の差が風合いのあたたかみを引き出しています。身体になじむ落ち感を活かしたデザインは、分量感がありながら軽やかで、紙のように折り畳んで平面に収めることができます。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

HEMPEN

古くから紙や衣服の原料に使われ、生活を支えてきた大麻(おおあさ・ヘンプ)繊維を100%使用した、畳むことで平面に収まる布帛シリーズ。さらりと心地よい素材の特性を活かしながら、染色とコーティング加工を施して、現代の生活に馴染む柔らかい風合いに仕上げています。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

WEAR AND WORN

二着を同時に編むという、無縫製ニットの新たな技法に挑戦したニットシリーズ。紙で遊ぶような感覚から生まれたユニークなデザインは、どちらかに身体を通したり、また前後を逆にして、さまざまな着方を楽しむことができます。コットン・ポリエステルを使用した軽やかでふっくらとした風合いが特徴です。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

PRESSED FLORA

春に咲く芍薬、ラナンキュラス、アスパラの葉を押し花にした華やかなプリントシリーズ。生花を押し花にする過程で生じる色味と表情の変化をそのままプリントで表現しました。さらにプレス加工を施すことで偶然にシワが生まれ、花そして素材の繊細さを際立たせています。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

CLOTH AND CORD

一枚の布と綿紐という二つの要素だけでつくる、プリミティブなものづくりが特徴のシリーズ。リネン糸とストレッチ性のある糸を織り合わせた、柔らかな張り感とさらりとした質感を持つ素材を使用しています。布地を寄せて綿紐で留めることでドレープをつくり、ゆとりのあるシルエットにより強弱をつけています。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

SHADE AND SHADED

身体が見え隠れする造形が特徴のプリーツシリーズ。透け感を持つ素材を斜めに折り畳んで部分的にプリーツを施すことで、光を通した和紙のような透明感と、プリーツ目のシャープさが生まれ、光を通したような透明感と対照をなします。構築的でありながら、身体性を感じさせます。

SPRING SUMMER 2025 COLLECTION

PAPER BAG

身近にある紙袋に模して、形もつくりも再現したバッグシリーズ。和紙の糸を使用した素材をプレスして成形しているため、紙としての風合いと軽やかさに加え、日々使える丈夫さを実現しています。

本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。

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