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2025.03.08 | ISSEY MIYAKE AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

ISSEY MIYAKEは3月7日(金)、パリ市中心部にある、カルーセル・ド・ルーヴル(Carrousel du Louvre)にて、2025/26年秋冬コレクション「[N]either [N]or」を発表しました。

今回のコレクションは、形態や質感、意味合いまでにおいて、相反する二つの物事を結びつけ、「どちらかである(either or)、どちらでもない(neither nor)」という曖昧さを描き出しています。このように衣服をつくる発想は、オーストリア人アーティスト、エルヴィン・ヴルム(Erwin Wurm)の作品から学んだ、「見慣れたものを意外で独創的な方法で見せれば、見え方が変わり、見方が新しくなる」というアプローチに基づいています。こうして完成された衣服は、見る者の既定視点を覆し、掴めそうで掴めない揺れ動く感覚を呼び起こします。そこに見出だされた違和感の向こうには、新たな美意識が在るのか。その曖昧さは、着ることの自由と、それに伴う期待と悦びを示唆しているのではないか。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION
AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

KNIT (AS REPRESENTED)

抽象と具象、平面と立体の対話。
「KNIT (AS IT IS)」の写真を柄にして、衣服にプリントすることで、平面と立体を行き来する新たな表現方法を探っています。さまざまな素材に印刷可能な最新の転写技術を用いて、写真を鮮明かつ細やかに再現しています。柄のドレープやシルエットが、実際の衣服のドレープやシルエットと重なったり重ならなかったりする錯視効果を起こします。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

KNIT (AS IT IS)

抽象と具象、身体と彫刻の境界。
身体と衣服の間に生じる余白。その余白、見えない空間を彫刻するように、異なる編み組織によって生じるねじれを活かし、有機的なフォルムを生み出しました。無縫製技術が可能にする流動的なシルエットは、身体と彫刻の境界を曖昧にします。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

LIKE TORSO LIKE SHIRT
LIKE TORSO LIKE BLAZER

彫刻なのか、衣服なのか。
シャツやブレザーのように見えて、彫刻のようにも見える、そんな衣服とは何かを探っています。彫刻のざらついた質感を和紙の糸で表現し、しなやかさをストレッチ糸で表現しています。ファスナーで着脱でき、袖を通すと現れるフォルムは、着る人それぞれの表情を見せます。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

ODD SHIRT
ODD SHIRT (STRIPES)

着る人に着る自由を。
ボタンの留め方で前身頃が袖に変形したり、腕を通す位置を変えて中心をずらしたり、着る人の気分に合わせて自由な着こなしを可能にします。ストライプ柄は、線の輪郭がぼやけるようにタテ糸を4色のグラデーションに染め分けています。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

PAPER BAG
PAPER BAG (POSTER)

どんなものでも、身体を通せば衣服になるか。
この問いから、紙袋に身体を通してみました。今コレクション発表のために、架空の展覧会ポスターをイメージして制作した柄を、紙袋の形に模した衣服にプリントしています。「Abstract, Concrete, and In-Between(抽象と具象とその間)」という展覧会タイトルと共に、コレクション発表の日時や場所も記されています。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

COLLAPSING SCULPTURE

単純と複雑の行き来。
一枚の布をS字状に折り返してできる、単純な2つの筒構造を発展させた衣服。和紙とコットンにストレッチ素材を織り合わせた生地は、張り感と伸縮性を併せ持ち、立体感を際立たせます。前後どちらかの筒に身体を通して、さまざまな着こなしと造形ができます。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

GENERIC STRIPES (MACHINE PLEATS)
GENERIC STRIPES (HAND PLEATS)

見慣れているものを見慣れていないものに。
規則的なプリーツ加工や弧を描くハンドプリーツを施すことでストライプ柄を歪ませ、さらに折り目を付けることで、変化をつけています。透け感のある素材を重ねて着用すると、それは柄なのか、プリーツなのか、見る者を惑わす錯視効果が生まれます。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

PANINI

既成の認識を覆す。
柔らかいはずのものを硬く表現する発想から、柔と剛の曖昧さを探求しています。熱可塑性のある合成繊維とウール・アルパカの混紡糸をプレス加工することで、ニットには通常見られないパリッとした硬質な質感とほのかな艶を出しています。分量感のあるデザインに、剛柔をそれぞれあしらって、ゆったりとした印象と鋭いシルエットを兼ね備えるニットです。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

CAMPER x ISSEY MIYAKE
Peu Form

カンペール社との協業による最初のフットウェア企画、Peu Formを発表します。このパートナーシップは、互いに50年の歴史と知識を擁する二つのブランドが、日々の暮らしの中に手仕事の価値を改めて提唱し、独創的な発想と機能性を兼ね備えた靴づくりを目指す新しい取組みです。

カンペール社を代表するシリーズの一つであり、マヨルカの言葉で「足」を意味するPeu。Peu Formは、近藤悟史がISSEY MIYAKEのものづくりの根幹にある「身体」と親和性を感じ、「一枚の布」というコンセプトを込めて発展させたものです。一枚の革で足を覆い被せる、定型のないようなフォルムは、足を包み込む快適な履き心地と脱ぎ履きのし易さを実現。ヒールカーブの部分を踏み込むと、スリッパのようにも着用できます。

コレクション発表について
今回のコレクション発表の演出は、エルヴィン・ヴルムの代表作の一つである『One Minute Sculptures』のコンセプトを基に考案し、パフォーマーたちの身体を介して彫刻に息が吹き込まれました。ISSEY MIYAKEのものづくりと通ずる一面を表現しています。

AUTUMN WINTER 2025/26 COLLECTION

『One Minute Sculptures』について
アーティストに事前に用意された指示書に従い、日常で見慣れたものを用いて、一般人が観る側ではなく創作者になり、かりそめの彫刻をつくる参加型の作品です。

本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。

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