2025.10.04 | ISSEY MIYAKE SPRING SUMMER 2026 COLLECTION
ISSEY MIYAKEは10月3日(金)、パリのポンピドゥー・センターにて、2026年春夏コレクション「Being Garments, Being Sentient」を発表しました。
本コレクションは、「衣服は意識を持つのだろうか」という問いからものづくりに取り組み始めました。衣服にまつわる既成概念を取り払い、そこにあるはずのないものを着想源とし触発され、新しい「衣服像」を描きます。衣服は本来、身体を覆い環境から身を守るもの、自己を表現したり演出したり着飾るもの、あるいは制服のように同一性や所属を知らしめるもの。本コレクションは、衣服のそうした機能的に、表現的に、または社会・文化的な役割を意識しつつ、あたかも自己意識を持ち、意思表示のできる「生き物」として想像します。その仮説を基調に、衣服を着るということをより自由に、かつその表現をより豊かに、着る側と着られる側との新たな関係を開いていきます。


GENERIC WEAR
GENERIC WEAR: STRIPES
GENERIC WEAR: SPEAKING
紙、ナイロン、コットン、ポリウレタン
衣服は意識をもつのだろうか
衣服がもし自分の意識を持つ生き物であれば、仕立てられた自分の型を破り、生長していくのだろう。衣服が「生長して脱皮する」という仮定を、本来動くことのない衣服が生き生きと自由な形に変化する様で表現しています。いわゆるTシャツやパーカーなどの型に落とし込むことで、一層その形態を際立たせます。

ARMS
ポリエステル、コットン、ポリウレタン
生き生きと動き出す衣服
袖を思いもよらないところに取り付けて、着る人自身の手足との対照から生まれる違和感が、その発想にある遊び心を呼び起こします。ジャケットは片腕を出したり、着方次第で自由なスタイリングを可能にします。

PEU FORM³
人工皮革
増殖するフットウェア
2025/26年秋冬コレクションにて発表したカンペール社との協業による「Peu Form」を衣服に落とし込みます。Peu Formがまるで生き物のように衣服と同化し、増殖していくような発想から生まれた造形が特徴です。その定型のないフォルムが伸び伸びとしなやかにドレープを描きながら、一枚の革として身体を覆っていく様は有機的で、衣服は仕立てられたものという概念を覆します。

A SHOPPER’S BODY
ナイロン、ポリウレタン
溢れ出る物欲
過剰に物を買い込むことで、あふれ出す状態を衣服で捉え、消費社会の縮図を表しています。着る人の身体に様々な「もの」を収めることによって、身体という柔らかい丸みのあるものに対して、くっきりとした輪郭を描きます。第二の皮膚のような伸縮性のある薄いジャージーを使用し、意外な位置に設けられた大きなポケットはデザインの特徴であり、機能性も備えています。

PALINDROME
ウール、ポリエステル、トリアセテート、コットン
表裏の境界を無くす
衣服の「表と裏」という概念を取り払い、どちらも表にして着用できる仕様。通常裏地になる面は、ISSEY MIYAKEのロゴが小さく配されたシャツの型としているため、身体を通すとジャケットの下にシャツを着ているように見えます。また、その面を表にして着用すると、背中にシャツを背負っているかのような着こなしも可能です。

CONCEALED
紙、ナイロン、コットン、ポリウレタン
覆い隠すことであらわれる本質
身体と周りにある余白を一枚のキャンバスのように見立て、シンプルなパターンから発展しています。一枚の布を筒状にし、身体を程よく覆うことで完成する形は、身体と布の間にある空間に着目し、それ自体をデザインすることで、新たな造形を見出だしています。


URBAN JUNGLE JERSEY
トリアセテート、ポリエステル、ポリウレタン
URBAN JUNGLE
ポリエステル
植物の生命力に肖る
都会で見かけるシュロなどのヤシ科の植物が、窮屈そうに植えられても伸び伸びと育っていく様を写真に収めて柄(URBAN JUNGLE JERSEY)にし、またその形態(URBAN JUNGLE)を身にまとうように、衣服に取り入れています。写真柄はその育つ環境を忠実に表す一方で、植物の形態を模したプリーツ素材はしなやかで、張りのある葉っぱを彷彿とさせています。


ADVENTITIOUS: SLEEVES
トリアセテート、ポリエステル
ADVENTITIOUS: HIGH-NECKS
コットン、ポリエステル
型に偶然性を
植物があちこちに生えていく様を取り込み、通常既定の型からつくる衣服に、「生」の意思を宿らせています。思いもよらないところに袖や襟、穴が配された筒状のニットは、さまざまな着方が可能で、さらに重ね着することで組み合わせが多様になります。こうして一着の衣服の着方が自由になるとともに、着る人の身体も、着ることへの考え方も自由になります。

CAMPER x ISSEY MIYAKE
Karst Finch
CAMPER社との二回目の協業となる今シーズンは、スニーカーを発表します。同社の代表的なシリーズのひとつ「Karst(※)」のソールに、軽量で伸縮性のあるアッパーを組み合わせています。
Karst Finchは二社のものづくりに共通する「遊び心」を形にしたフットウェアで、小鳥の羽毛の色彩から採った鮮やかな色合いとその軽やかな履き心地には、自由に街中を闊歩するという想いが込められています。また、スニーカーとセットで販売される配色違いの二足の靴下は、履く人が自由に組み合わせることで多様なスタイリングを楽しむことができます。
※カルスト地形、石灰岩が水で溶けてできる地形や景観。
音楽演出について
今回のコレクション発表の音楽演出「サウンドスケープ」は、アーティストで、電子音響音楽(electroacoustic music)の作曲家である、タレク・アトゥイ(Tarek Atoui)氏によるものです。タレク氏は、自身の様々なプロジェクトや作品群から、楽器や音の素材を選出し、それらを組み合わせて、調和の取れた音と空間を構成します。
タレク氏は、今回のコレクションのテキスタイルのもつ質感とその音質的な特性(どういう音が出せるか)を活かし、作曲とパフォーマンスに取り入れています。石や水、モロッコ、サウジアラビア、韓国で太鼓として使われている獣皮、また陶器、磁器などの自然由来で原始的な素材を使い、それらの多彩な要素で音と空間をつくりあげて、「無機と有機」というコレクションテーマを解釈しています。

本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。
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