コンテンツに進む

2026.04.22 | コーポレート ISSEY MIYAKE / MILAN 特別展「The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)」開催

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

ISSEY MIYAKE / MILANは、4月のミラノデザインウィーク期間中、特別展「The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)」を開催しています。三宅デザイン事務所の近藤悟史の構想に基づく本プロジェクトは、スペインの建築事務所アンサンブル・スタジオ(Ensamble Studio)を協働パートナーに迎え、イッセイ ミヤケ社のプロジェクトチームと共に発展しました。プリーツ製品の製造工程による副産物である「圧縮された紙のロール」を活用し、「記憶をもつオブジェ(膜)」と「家具のプロトタイプ(核)」という、対照的なアプローチから制作された2つの作品シリーズによるインスタレーションを展示しています。

ペーパーログ・プロジェクトについて
ペーパーログ」とは、プリーツがかかった薄い紙を圧縮したロール(高さ80cm、直径40cm)のことです。この紙は、イッセイ ミヤケ独自の技法「製品プリーツ」による副産物であり、加工の際にプリーツマシンに入れる生地を保護するために使用するものです。「ペーパーログ」という名は、ロールの構造が丸太(ログ)に似ていることに由来します。断面に見られるマーブル模様は年輪を想起させ、樹木の成長のようにプリーツ加工にも感じ取る時間の流れを表しています。

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

ザ・ペーパーログの上面の寄り

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

ザ・ペーパーログの断面

本来は輸送の効率化と廃棄・リサイクルをしやすくするためにロール状に圧縮されたものですが、三宅デザイン事務所のデザインディレクターの一人である近藤悟史は、工場を訪れた際にその素材の質感と円柱形のかたちに可能性を見出だしました。そしてこれをカットしてスツールを制作し、パリで行われた「ISSEY MIYAKE 2025年春夏コレクション」のショーにおいて、座席およびインスタレーションとして使用しました。

スツールの制作は、その可能性を探求する第一歩でした。実際の丸太のように、ペーパーログは「削る」「切る」、あるいは「剥ぐ」「広げる」といった加工によって形づくることができる素材です。また、吸水性があるため、溶液や仕上げ剤を含ませることで、その素材の質感を変化させることも可能です。研究開発が進むにつれて、プロジェクトの範囲は社内チームだけにとどまらず、アンサンブル・スタジオとの協働へと拡大しました。

アンサンブル・スタジオの活動は、絶え間ないリサーチと素材への深い理解に基づいています。彼らは素材と徹底的に向き合い、取り組むことで、ルールや先入観の裏に潜む素材の本質を捉え、デザイン、工芸、構造を統合した即物的なアプローチを展開しています。その研究開発の綿密さとは対照的に、彼らの手法はミニマル、あるいはプリミティブとも言えるものであり、その表現は軽やかで、素材そのものの美しさを際立たせます。作り手の作為を感じさせないその作品性こそが、アンサンブル・スタジオが本プロジェクトの理想的なパートナーである理由です。

アンサンブル・スタジオとイッセイ ミヤケのチームは、クリエイションにおいて「プロセス」を一番に重んじる姿勢に共感しています。試行錯誤を重ねる過程を経験してこそ、新たな発想や洞察が生まれ、未来のさらなる発展へとつながるのです。

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

筆で硬化剤を塗る

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

ペーパーログから剥がした紙で椅子を包み込む

インスタレーションについて
サブタイトルである「膜と核」が示唆するように、本インスタレーションはペーパーログに対する対照的なアプローチから生まれた、補完し合う2つの作品シリーズで構成されています。会場では、膜と核のもつ「儚さと実体」、「繊細さと頑丈さ」といった相反する要素を対話させるように作品が配置されます。このような対話は、アンサンブル・スタジオとイッセイ ミヤケのプロジェクトチームの会話とそれぞれの制作過程を記録したドキュメンタリー映像を通じても表現されています。

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)
The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)
The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

アンサンブル・スタジオによる作品群「Shell(膜)」は、まるである瞬間が静止したような、紙の作品です。ペーパーログから剥がした紙で形づくるように、自由に造形したり、既存のオブジェに覆ったりして、硬化剤を施して完成した作品は、紙の襞(ひだ)、シワ、そして折り目の一つひとつが結晶化されたかのように表現されています。 他方、イッセイ ミヤケのプロジェクトチームによる作品群「Core(核)」は、スツール、椅子、テーブルといった家具のプロトタイプで構成されています。これらは、蝋(ロウ)に浸す、糊で固める、束ねるなど、素材の特性を探求するための加工がなされました。会場にはプロトタイプの制作プロセスを紹介する展示も設けられています。

The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)
The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)
The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)
The Paper Log: Shell and Core(ザ・ペーパーログ:膜と核)

会期:

4月21日(火)ー 5月5日(火)

営業時間:

10:00 - 19:00

会場:

ISSEY MIYAKE / MILAN

Via Bagutta 12, 20121 Milan Italy
Tel. +39-02-781040

類似ニュースを見る

シェア LINE Pinterest facebook X Mail