TYPE-VI Sohei Nishino project

写真家・西野壮平氏と取り組んだプロジェクト、「TYPE-VI Sohei Nishino project」。
歩くこと、旅を通して得た個人的体験をもとに作品を制作している、⻄野氏。代表作である「Diorama Map」シリーズより、「Tokyo 2014」と「Kyoto」の二つの作品を、A-POC ABLE独自の高度なジャカード織り技術により、衣服として再構築しました。

「Diorama Map」シリーズは、⻄野氏自身が特定の街を歩きながら、さまざまな対象をカメラに映し、撮影したすべての写真をその都市の地図に即しながら、写真を一枚一枚キャンバス上に貼り合わせ、記憶を再構築していくことで、都市が垣間見せる“現在”の姿をイメージ化しています。また、“反復”として、一定の期間をもって定点的に同じ都市を見ることで、構造としての変化と、自身の都市への呼応の仕方やコミュニケーションの変化を見る試みでもあります。(東京は2004年に制作され、2014年に再び制作されました。) そうして出来上がった作品は、「一人の人間が街をどのように見て歩いたか」という記憶の痕跡と認識の表れであると共に、生命力を持ったエネルギーの縮図としての都市の姿です。

Sohei Nishino / Diorama Map Tokyo 2014 / 2014年

Sohei Nishino / Diorama Map Kyoto / 2003年
TYPE-VI
西野氏の作品「Diorama Map」シリーズより、「Tokyo 2014」を織り込んだリバーシブル仕様のステンカラーコートと、「Kyoto」を織り込んだ5ポケット仕様のパンツ、バケットハット。ヨコ糸に通気性に優れた紙の糸を使用し、軽い着心地が特徴です。身に付けることで、西野氏が捉えた都市の姿に思いを馳せながら、そして自分だけの都市の姿を発見してください。


西野壮平氏より
この度A-POC ABLE ISSEY MIYAKE の新たなプロジェクトにお誘いいただきとても光栄です。
初期段階から、私の写真作品がどのように服として生まれていくのかといったところが非常に興味がありました。
チームの皆さんと共に一つ一つの想いをまさに編み込んでいくように作り上げていく過程には多くの驚きがあったと同時に、自分自身の作品をまた新たな角度から再発見させてくれました。
一枚の布の中にある様々な記憶の集積を楽しんでいただけたら嬉しいです。
西野壮平
1982年兵庫県生まれ。
大阪芸術大学写真学科を2004年に卒業、その後活動の拠点を静岡に移し制作活動を行っている。
主な展示に、2012年 OUT OF FOCUS: PHOTOGRAPHY グループ展 (Saatchiギャラリー, ロンドン)、2013年A Different Kind of Order グループ展 (The ICP トリエンナーレ,ニューヨーク)、2015年 NEW DIORAMAS 個展 (マイケルホッペンギャラリー, ロンドン)、2016年 New Work 個展(サンフランシスコ近代美術館、アメリカ)2018年 New Cartographies: グループ展(Asia Society Texas Center, ヒューストン、アメリカ)
近年では2021年「岡本太郎現代芸術賞」展(川崎市岡本太郎美術館)、「線をなぞるーTracing Lines」個展(キヤノンギャラリーS)、2022年「潜在景色」グループ展(アーツ前橋)などがある。