2026.10.03 | ISSEY MIYAKE SPRING SUMMER 2027 COLLECTION
ISSEY MIYAKEは10月2日(金)、パリにあるフランス柔道連盟本部柔道場(Dojo de Paris)にて、2027年春夏コレクション「Figure of Ma —間のかたち—」を発表しました。
今回のコレクションは、一枚の大きい布と戯れるところから始まりました。それは、身体と布の関係性の根源を尋ねるように、ただ布と触れ合いながら、「衣服」という概念にすらとらわれない、もっとも原初的な「間(ま)」を体験すること。そのプロセスにおいて「間」がもたらす豊かさを見出だし、その名状しがたい心躍る感覚が、身体へと純粋に伝わっていく、その実感こそを服づくりの拠り所にしています。
その感覚をかたちにしていく中で、ピアニストの中野公揮氏を迎え、「豊かさ」を巡って作曲と服づくりが呼応し合う対話を重ねました。聴覚と視覚を結び付ける交流は、音楽と衣服の互いの創作意欲を触発し、これまでにない密接な表現へ結実しています。こうして象(かたど)られたコレクションは、浮遊するように軽やかで、包み込むように朗らか。着る人の動きにつれて変わり続ける、「間のかたち」を体現しています。

FLUIGLYPH
水の流れを表現した無縫製のニットシリーズ。身体になじみながら、着用するとしなやかに伸びて、有機的な曲線が生まれます。太さの異なる糸でガーター編みのピッチをあえて不規則にし、流れを描くように編み上げています。繊細な透け感と凹凸のあるストライプが、豊かな表情を生み出しています。

BALLOON TWIST
一枚の大きな布が波打って空気を含んでいるさまに着想を得て発展させたシリーズ。丸い膨らみによって、意図的に身体と衣服のあいだに間をつくり、立体的なフォルムを生み出しています。手作業で生地の中に球体を入れて縛り、ツイスト加工を施すことで生まれたシワが繊細なニュアンスをもたらします。素材はポリエステルの分繊糸とウーリー糸を織り合わせることで、光沢と透け感のある生地に仕上げています。

DRAPED ENSEMBLE
一枚の布を身体にまとわせて仕立てた、立体感のあるドレープが特徴のシリーズ。ドレープを生み出すねじれやつまみの間に、スカーフなどを通してスタイリングのアレンジが可能です。ハリと軽やかさを兼ね備えた和紙混の生地は微かなシボの風合いを持ち、それによって肌離れが良く、軽やかです。

BILLOW
清涼感のある透ける素材と、空気を含んでたゆたうような表情が特徴のシリーズ。一枚の布で仕立てたボリュームのあるパンツは、動きによって大きなうねりが起き、身体と衣服のあいだの間を際立たせます。ポリエステル糸と細番手のナイロン糸で織り上げた生地は、軽やかさに繊細な質感が加わります。

CAPRICE
多彩な色合いで遊ぶプリーツシリーズ。3色の四角い布地を重ね、部分的に縫製することで二つの筒状の構造を作ります。そのシンプルなつくりだからこそ、たなびくプリーツと重なり合う色彩の表情が際立ちます。適度な透け感と肌離れの良い、春夏シーズンに相応しい素材感は、身体に軽やかに寄り添い、動きにしなやかに応えます。

TEMPO PLEATS
横方向に施したプリーツが動きに合わせて弾み、まるで衣服がみずから戯れるような、軽やかな表情のシリーズ。一枚の四角い布に穴をつくり、身体を通すことで、平面から自然に丸みを帯び、身体との間に空気を含むように立体へと変化します。タテ糸にポリエステルの分繊糸、ヨコ糸にトリアセテートとネップスラブ糸を取り入れることで、涼やかでハリのある素材感を実現しています。

BUBBLE (INK MARBLING)
みずみずしさが際立つフィルムオーガンジーに、墨流しで絵柄を施したシリーズ。シャボン玉のような透明感と光沢のあるオリジナルの生地に、空へと上昇する風船をイメージした柄を描いています。京都の職人が水面に顔料を垂らして手描きする一つひとつの絵柄は、それぞれ異なる表情を持ち、空気を含んで変化するかたちとともに生き生きとした印象を引き立てます。

BALLOONING
風船が膨らみ、身体を包み込むようなかたちから着想を得た、今シーズンを象徴するシリーズ。前後の身頃で長さに差を付け、着る人が動くことで呼吸するかのように空気を取り入れ、ギャザーを寄せると丸みを帯びたシルエットがそっと立ち上がります。極めて細く軽いナイロン糸で織り上げたリップストップ生地を使用し、軽量でさらりとした素材感も特徴です。


COCOON BODY
ISSEY MIYAKEが身体性を表現するものづくりを探求する中で、ワコール社が開発した技術を応用し、共同して制作した新しいボディのシリーズです。
この協業プロジェクトは、ワコール社がメルトブロー法(※1)を基に独自に開発した、立体物を成形する技法「Melooop」(※2)を発展させたものです。従来、ブラジャーのパッドを成形するMelooopに用いられていたロボットアームに、胴体の型を取り付けることで、衣服の製作を実現すると同時に、新たな造形方法を確立しています。
COCOON BODYは、蚕(かいこ)が繭(まゆ)を紡ぎ、まとうかのように、溶かした樹脂を吹き付けて成形されています。身体性を探って見出だしたそのボディは、トルソーを扱うところから原型をつくり始めました。トルソーに衣服を着せて濡らした表情と、つくり手の微妙な感覚を投影した形態を、3Dスキャンで読み取り、型に落とし込みました。身体と布とつくり手の関係性を表現しているそのかたちは、単なる形状ではなく、「着ることの記憶」が内包されています。身体を模した彫刻のようなCOCOON BODYは、着用するとしなやかに動き出します。肌になぞらえたそのかたちと質感は身体との境目を曖昧にし、新しい美意識を示唆しています。
※1 原料となる樹脂ペレットを熱で溶かして紡糸ノズルから押し出し、高速の熱風で引き伸ばすことで極細繊維化させると同時に、繊維同士を熱融着させることで、接着剤などを使用することなく、不織布(布)をつくる技法。COCOON BODYの素材の原料には、6割が植物由来の樹脂ペレットを使用しています。
※2 ワコール社が2020年に独自開発した、メルトブロー法で立体物を作製する技法。ブラジャーのカップ部分の生産技術として実用化しています。吹付装置とロボットアームが設置されており、吹付装置に対してロボットの軌道を精緻にコントロールすることで、かたちや厚み、伸度を調整することができます。「Melooop」でファブリックを成型する際には、カットされた不要なパーツもふたたび原料に生まれ変わることから、廃棄材料をゼロにすることが可能です。

CAMPER x ISSEY MIYAKE
Peu Lift
両ブランドに共通するテーマ、「ものづくりの伝統」と「遊び心」そして「身体性」に基づくPeu Liftは、カンペール社を代表する「Peu」シリーズのアウトソールに、ISSEY MIYAKEならではのデザインを取り入れています。日本の伝統的な履き物をユーモラスに解釈し、削ぎ落としたその一足は、両ブランドに通ずるデザイン言語を表しています。
アーチを描くヒールは、カンペールのブリッジ型のロゴデザインをモチーフにしたもので、アウトソールから押し出されたかのようです。Peuの特徴である、足の形状に合わせた幅広い型が安定感と履き心地の良さをもたらす一方で、ヒールを加えることで、その名の通り「リフト」された新しいシルエットを生み出しています。上質なレザーのアッパーはつま先まわりが左右非対称にデザインされており、片方のサンダルは親指のみを、もう片方はそれ以外の足指を包み込む仕様です。

CAMPER x ISSEY MIYAKE
Peu Formula
Peu Formulaは、第一弾として発表したフットウェアPeu Formのシルエットが結晶化したかのように、「履く彫刻」へと進化しています。
Peu Formulaは、素足のような履き心地が特徴である「Peu」シリーズから生まれたPeu Formを実際に履き込んだ状態から型を取り、その有機的な輪郭や自然な歪み、そして歩みの痕跡までデザインに取り入れています。「Form(かたち)」から「Formula(方程式)」へと、それはまるで化学の公式を経てデザインが抽出された比喩であり、そのような進化を体現しています。
単一素材からなるこの軽量のフットウェアは、バイオサーキュラー化合物(bio-circular compounds)を30%配合した素材「XL EXTRALIGHT® Organix™ 3.0」によって実現されており、役目を終えた製品は部品を分けずにリサイクルが可能です。
本コレクションの全てのルックは以下のページでご覧いただけます。
類似ニュースを見る